メールのアドレスを’burger@king.com’と想像的に選択することも可能である。その結果このユーザはハンバーガーやフライドポテトを販売しているような印象を作り出すことができる。
?Dしかし、このような事態を未然に防ぐべくドメイン名の割り当ての際に類似商標の調査に相当するような手続きを行うことは果たして現実的であるかどうかが問題であろう。いずれにしても、商標法や不正競争防止法の運用の在り方について、電子商取引に関する新たな対応の必要性を含め検討していく必要がある。
(参考)
ドメイン名をめぐる訴訟例
<訴訟例1>
「1994年初頭、有名な試験準備会社、Princeton
Reviewは、最大のライバル会社である Stanley H.Kaplan Educational Center
(’Kaplan’)の名をとった’kaplan.com’というドメイン名を登録した。
Princeton Reviewはそのアドレスの使用については否定しながらも、実際には
Princeton ReviewとKaplanのサービスを比較する広告の中で’kaplan’というアドレスを用いていた。そこで、Kaplanは
Princeton Reviewに対し、名称引き渡しの要求を行ったが、 Princeton Reviewは要求に応じなかったため、Kaplanは
Princeton Reviewを訴えた。この訴訟は、当事者による、という条件下に、調停に移された。
Kaplanの訴えは登録商標訴訟にみられる償請求を提示している。申立て内容としては、登録商標侵書、虚偽の出所指定、不正広告、不公正競争、詐欺商慣行が列挙されている。さらに、Kaplanは、潜在的顧客との通信という目的でインターネットを使用できることの重要性を強調しながら、Princeton
Reviewが’kaplan.com’というドメイン名を不正に流用した結果、インターネットによる潜在的事業関係の開拓方法が妨害されたと主張した。調停結果はKaplanの申し立てを支持して、Princeton
Reviに’kaplan.com’というドメイン名の権利を放棄するよう命じた。しかし、Kaplanへの賠償金の支払あるいは弁護料の支払については、「Princeton
Reviewによる実際の損害または故意の詐欺的もしくは不誠実な行為を十分に示して」いないとの理由で、却下した。
<訴訟例2>
「1993年、当時MTVに勤務していたカリーは’mtv.com’というドメイン名を登録した。そのアドレスでカリーは、他の事項と共に、デイリーエンターテイメント、’Cyberlease
Report’と’Adam Curry's Brain Waves’の提供を開始。MTVはカリーの活動に気付き、事情確認を行ったところ、カリーの言い分では、MTVの上司はカリーが出したインターネットを利用した合弁事業案を拒